政治思想

早くも梅雨入り。
雨が多くて,気が滅入る。
都内某所で研究会。

今週の移動時間中に読了。

〈私〉時代のデモクラシー (岩波新書)

〈私〉時代のデモクラシー (岩波新書)

「デモクラシーとは,〈私たち〉の意志で〈私たち〉の問題を解決していくことです。そうだとすれば,人々は,〈私〉だけではなく,〈私たち〉にとっての利害を考える必要があります。」(30頁)
「自分の『かけがえのなさ』にあくまでもこだわる〈私〉。と同時に,『大勢のうちの一人』でしかない自分の小ささを,痛いほど自覚している〈私〉」(41頁)
「民意の『砂』状下と,政党の側の提示する政策の非脈絡化(=恣意化)」(←1990年代〜2000年代の日本の政治状況。(96頁)
「デモクラシーとはそもそも『答えのない』状況において,それでも社会的な意味をたえざる議論と論争を通じて創出していくプロセス」(174頁)
「現代とは,社会がはてしなく個人化すると同時に,個人がいままで以上に社会を映し出す窓になっている時代なのです。」(182頁)
「〈私〉の意識から出発した異議申し立てが,少しずつではあれ社会を変えていく原動力となることを承認し,そのために他者による異議申し立てに対する耳をすますこと。このことがやがては自分自身の境遇の改善へとつながっていき,再び,歴史の進歩や発展を語ることを可能にしていくではないでしょうか。」(190頁)