日本史(近世)

着々と読書。

戦国大名論 暴力と法と権力 (講談社選書メチエ)

戦国大名論 暴力と法と権力 (講談社選書メチエ)


「戦国の社会において,戦国大名の支配を可能にした関係性,権力の作用の仕方はどのような特質を持っていたのか,法や暴力の問題はそのなかにどのように位置づけられるのかを,本書では考えていきたい。」(37頁)

「戦国領主の『領』は,事実関係としては,公共的な利害調整のために成立するのではなく,軍事的制圧などによって,一定の規模の『領』が成立した結果として,その土地の公共的利害調整がおこなわれるようになり,事実上の公的領域支配として機能するのである。(130頁)

「戦国期は,室町期の秩序が流動化し,新たな秩序が構築されたのであって,それは決して無秩序ではないが,再構築された秩序はいまだ可動性を大きく残している。戦国期の権力構造は,このことによって特徴づけられている。」(243頁)